史料解説
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古事類苑とは?
明治政府が1879〜1914年に編纂・刊行した日本最大の官撰類書『古事類苑』の解説。全30部1000巻に及び、地部に「倭国」「邪馬台国」関連の諸史料を集成。本居宣長『国号考』・新井白石『馭戎概言』など近世国学の知見も収録する。 -
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志賀島小幅とは?
博多聖福寺の禅僧・仙厓義梵が1820〜1830年頃に記したとされる掛け軸『志賀島小幅』の解説。金印の由来を考察し「矮奴は和国にあらず怡土の縣主也」という伊都国説を示す。公式記録との食い違いが多く、原本は非公開。 -
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甚兵衛の口上書とは?
天明4年(1784年)3月16日付で志賀島村庄屋・長谷川武蔵が書き留めた「漢委奴國王」金印の発見届け出書『百姓甚兵衛口上書』の解説。金印真偽論争の基礎資料だが、原本所在不明・甚兵衛の実在疑問など信憑性に論点が多い。 -
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三国遺事とは?
高麗の僧・一然が13世紀末に著した歴史書『三国遺事』の解説。正史『三国史記』から漏れた民間の神話や伝承(延烏郎と細烏女、駕洛国記など)を収録し、日朝関係の文化的・民俗学的な背景を知るための重要史料。 -
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三国史記(新羅本紀)とは?
高麗の金富軾が1145年に著した朝鮮最古の正史『三国史記』の解説。新羅本紀に「倭女王卑彌乎遣使來聘(173年)」という卑弥呼を名指しした唯一の朝鮮側記録を含み、魏志倭人伝との60年の年代差が邪馬台国研究の重要論点となっている。 -
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新唐書とは?
北宋の欧陽脩・宋祁らが1060年に完成させた唐王朝の正史『新唐書』の解説。『旧唐書』で別々だった「倭国」と「日本国」の記述を統合し、日本から伝えられた「王統譜(天御中主から始まる系譜)」を中国正史として初めて記載した。 -
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旧唐書とは?
後晋の劉昫らが945年に著した唐王朝(618〜907年)の正史『旧唐書』の解説。「倭国伝」と「日本国伝」を別立てで記載し、倭国から日本国への国号変更をめぐる最重要史料。 -
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通典とは?
唐の杜佑が801年に著した中国史上初の政書『通典』の解説。邊防典(巻185)の倭国記事には「其王理邪馬臺國〈或云邪摩堆〉」という比定と「倭一名日本」の初出記録を含み、魏志・後漢書・隋書などを引用する8世紀末の総合史料。 -
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続日本紀とは?
菅野真道らが797年に完成させた日本の正史(六国史の第二)『続日本紀』の解説。遣唐使の記録や、「大倭」から「大和」への国号表記の変更過程を記し、倭国から日本国へのアイデンティティ転換を裏付ける重要史料。 -
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日本書紀とは?
舎人親王らが720年に撰上した日本最古の勅撰国史『日本書紀』の解説。神功皇后紀に魏志倭人伝の卑弥呼・台与記事を引用・注記し、邪馬台国研究では卑弥呼=神功皇后説の根拠・批判双方に引用される。 -
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風土記とは?
713年に元明天皇の詔によって編纂された日本の古代地誌『風土記』の解説。『肥前国風土記』の松浦(末盧国)や『筑前国風土記』の怡土(伊都国)など、魏志倭人伝の道程に登場する地名の8世紀当時の状況や伝承を記し、邪馬台国九州説の重要な地理的根拠となる。 -
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古事記とは?
太安万侶が712年に撰上した日本最古の歴史書『古事記』の解説。厳密な年代表記はないが、崇神天皇期の大物主神祭祀や神武東征伝承など、3世紀の倭国の実態(邪馬台国)や大和政権の成立過程を推測する傍証として参照される。 -
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翰苑とは?
唐の張楚金が665年頃に著した類書『翰苑』の解説。巻30(蕃夷部)のみが太宰府天満宮に国宝として現存し、散逸した『魏略』の倭人条を引用する唯一に近い史料として邪馬台国研究で重要視される。 -
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南史とは?
唐の李延寿が659年に著した南朝4王朝(宋・斉・梁・陳)の通史『南史』の解説。地理や風俗の記述を姉妹書の『北史』に委ね、倭の五王の外交記録や武の上表文など、南朝との交渉史に特化した構成が特徴。 -
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北史とは?
唐の李延寿が659年に著した北朝6王朝(北魏・東魏・西魏・北斉・北周・隋)の通史『北史』の解説。「居於邪摩堆、則魏志所謂邪馬台者也」という邪馬台国比定と、道程記事・阿毎多利思比孤を含む。 -
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晋書とは?
唐の房玄齢らが648年に著した晋国(265〜420年)の正史『晋書』の解説。宣帝の公孫氏平定(238年)を契機とする卑弥呼の遣使や、泰始年間(265〜266年頃)の倭国朝貢記事を含む「倭人伝」を収録。 -
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隋書とは?
唐の魏徴らが636年に著した隋王朝(581〜618年)の正史『隋書』の解説。「都於邪靡堆、則魏志所謂邪馬台者也」という、現在の都と邪馬台国を直結させた記述を持つ現存唯一の史料として重要。 -
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梁書とは?
唐の姚思廉が629年に著した南朝梁(502〜557年)の正史『梁書』の解説。「倭者自云太伯之後(倭の者は自ら太伯の後裔と言う)」の記述・邪馬台国への道程・卑弥呼・女王国・倭の五王を含む「梁書倭伝」を収録。 -
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南斉書とは?
南朝梁の蕭子顕が537年頃に著した南朝斉(479〜502年)の正史『南斉書』の解説。倭王「武」(雄略天皇に比定)への鎮東大将軍号授与を記録した「倭の五王」時代の重要史料。 -
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梁職貢図(職貢図/貢職図)とは?
南朝梁の蕭繹(後の元帝)が539年頃に制作した職貢図の解説。倭国使の図像と説明文を収録した現存唯一に近い視覚的倭人資料で、「木綿帖首・衣横幅無縫」など倭人の服飾を描写する。原本は失われ、北宋の摹本などが現存。 -
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宋書(宋書倭国伝)とは?
倭の五王(讃・珍・済・興・武)の外交記録を伝える中国正史『宋書』の解説。478年の武の上表文は現存する倭からの最詳細な外交文書であり、5世紀倭国の対外政策を知る第一級の史料。 -
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後漢書とは?
倭奴国への金印授与(57年)・帥升の遣使(107年)・倭国大乱と卑弥呼共立を記した中国正史『後漢書』の解説。范曄が5世紀に編纂した二十四史のひとつで、複雑な成立経緯と魏志倭人伝との異同が研究上の主要な論点となっている。 -
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三国志(魏志倭人伝)とは?
邪馬台国・卑弥呼を最も詳細に記す中国正史『三国志』魏書巻30「烏丸鮮卑東夷伝」倭人条の解説。帯方郡からの道程・倭人の風俗・卑弥呼の統治と外交・台与の即位まで、2〜3世紀の日本を伝える現存最重要の文献史料。 -
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魏略(魏略逸文)とは?
魏志倭人伝より早く成立した可能性がある『魏略』と、散逸した原書から復元された「逸文」の解説。伊都国の戸数「万余」など魏志と異なる重要な記述を持ち、邪馬台国研究の比較史料として重要な位置を占める。 -
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漢書(前漢書/漢書地理志)とは?
中国正史における倭人の最古記録『漢書』地理志。班固が編纂した前漢の歴史書で、「楽浪海中有倭人」のわずか19字の記述が、紀元前後の倭が百余国に分立していたことを伝える。 -
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論衡(ろんこう)とは?
後漢の王充が著した思想書『論衡』と倭人記事の解説。「倭人貢鬯草」という周代の朝貢伝承が、正史以外の文献では倭人に関する現存最古級の記録とされる理由と史料としての限界を説明する。 -
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山海経(さんかいきょう/せんがいきょう)とは?
古代中国の地理書『山海経』と倭関連記事の解説。「倭属燕」という記述が中国文献における倭の最古期の言及の一つとされるが、神話的記述が多い同書の史料としての限界とその位置づけを解説する。
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